ここでは、今年8月に発表された調査結果(※)から医療機関等(以下、医療,福祉)の入職・離職状況や転職入職者が今の職場を選んだ理由をみていきます。
上記調査結果から、2024年の医療,福祉の事業所における入職率と離職率をまとめると、表1のとおりです。

医療,福祉の一般労働者は、入職率および離職率がともに13.1%でした。パートタイム労働者(以下、パート)は入職率が16.6%、離職率が15.7%で入職超過率が0.9ポイントのプラスになりました。
産業計と比較すると、一般労働者の入職率と離職率は、医療,福祉の方が高い状況です。
医療,福祉の入職率と離職率に大きな差がないということは、全体的には人手不足は解消には至っていないと思われます。そのため、人手不足の医療,福祉では、即戦力となる中途採用が現在も行われているでしょう。ただし人材を採用するにも、応募がなければ始まりません。
では、中途採用の従業員は、どうして現在の職場を選んだのでしょうか。
同調査結果から、医療,福祉の転職入職者が、現在の勤め先を選んだ理由をまとめると、表2のとおりです。

理由の割合をみると、一般労働者では男性・女性ともに、能力・個性・資格を生かせる、仕事の内容に興味があった、労働条件がよいが上位になりました。パートでは、女性は一般労働者と同じ理由が上位になっていますが、男性の場合、労働条件がよい以外は、その他の理由、とにかく仕事に就きたかったが上位という状況です。
転職入職者が現在の職場を選んだ理由は、今後、自院で採用活動を行う際の参考になるものと思われます。また、採用が思うようにできていない医療機関等では、自院の採用活動を振り返る材料としても活用できるのではないでしょうか。
(※)厚生労働省「令和6年雇用動向調査」
5人以上の常用労働者を雇用する事業所のうちから、抽出した約15,000事業所と、その事業所に入職した常用労働者のうちから、無作為に抽出した入職者や離職者を対象にした調査です。入(離)職率は常用労働者数に対する入(離)職者数の割合をいいます。
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